職場で、先輩から嫌がらせをされるようになったり、パワハラを受けたりするケースは珍しくありません。また、引っ越した先で嫌がらせをされるようになったが、誰がやっているのかわからないということもあります。
嫌がらせは陰湿な方法で行われることが多く、証拠が足りないことから警察に捜査を依頼することが難しいです。このような状況で頼れるのは「探偵」です。
嫌がらせに悩む方に向けて、取るべき対処法と探偵による嫌がらせ調査について詳しく解説いたします。
目次
「嫌がらせ」とは?
嫌がらせの実態は多種多様です。セクハラ・パワハラという略称で知られるセクシャルハラスメントやパワーハラスメントも嫌がらせの一種だと言えます。また、自宅の玄関に生ごみをまき散らしたり、ご近所に嘘の悪評を広めるといった嫌がらせもあります。
さまざまな嫌がらせがある中、それらを取りまとめて言葉に表すなら、嫌がらせとは「相手を不快にさせ悲しませる目的または攻撃する目的で、精神的・肉体的苦痛をもたらす行為、経済的・社会的不利益をもたらす行為の総称」ということになるでしょう。
そして、学校や職場、近所付き合いなど、人と人が関わる場では、誰もが嫌がらせの被害者となる可能性があります。
嫌がらせをする人の心理
嫌がらせをする人は、他者に対しての不信感や猜疑心がその心理の根底にあり、物事を“誰かの悪意によるもの”と受け止める傾向があります。つまり、他者を憎みやすく、自分は被害者だと思いやすいのです。
また、自分自身の優位性にこだわり「この私に迷惑をかけるなんて許せない」、「私の優位性を脅かすものは許せない」という心境に陥りやすい性格であることも多いです。これは劣等感の裏返しとも理解できます。
本来なら“人間関係上よくあることだ”として大目に見るべき出来事に対しても、怒りや憎悪が心に渦巻くようなタイプの人物が、嫌がらせという許されない行為に走ってしまう傾向にあるようです。
自力で嫌がらせを止めさせることはできる?
嫌がらせをしている人物が誰かわかっているなら、「その人と話し合えばわかってくれるのではないか」と考えることもできます。それがだめなら、「友人や第三者に協力してもらって力強く交渉すれば、嫌がらせが治まるのではないか」との考えもあるでしょう。
しかし、おすすめはできません。このようなやり方で事態が改善することはほぼ無いためです。
嫌がらせをする人の心理や特徴から、話し合いが通用する可能性は低く、感情的な激しい口論や罵り合いになってしまうことが容易に予想できます。さらに、いっそう事態が悪化することも懸念されるので、自力で何とかしようとするのはやめましょう。
嫌がらせは警察に相談すべき?
嫌がらせを受けている場合、警察に相談すべきと考える方は多いでしょう。また、相談すれば何か力になってくれると期待するのも当然です。
結論から言えば、一応警察には相談しておくべきです。しかし、ほとんどの場合、相談だけで終わるか、被害届を提出して終わりでしょう。警察は、民間人同士のトラブルとして、ほとんど何もしてくれない、できないのが実情です。
民間人同士のトラブルは民事上の問題で、刑事事件とはなりません。ただし、その嫌がらせ行為に、器物損壊や暴行傷害など、刑事事件としての事件性があれば、警察が捜査し犯人を逮捕する可能性はあります。その時には、その加害者から被害を受けたという明確な証拠が必要です。証拠集めから警察が動いてくれるということはまずありません。
嫌がらせは探偵に調査を依頼!
嫌がらせの被害は、まず警察に相談しておくべきですが、警察は腰が重くて簡単に動いてはくれません。そのような時には探偵に相談するとよいでしょう。
探偵ならば、費用はかかりますが、事件性や証拠がなくても動いてくれます。むしろ、事件性を証明したり、証拠を収集するための調査を行ってくれるのです。
その嫌がらせの全容を調べ上げ、誰が嫌がらせをしているのか、それはどのような人物か、なぜそのようなことになってしまったのかを解明し、いつどこで嫌がらせが行われたのか、証拠とともに記録した調査結果を報告してくれます。
さらに、探偵による実態の解明と収集された嫌がらせの証拠が、警察への説得力を増し、捜査開始のきっかけになることが期待できます。
どんな嫌がらせを受けたら探偵に調査を依頼する?
次のようなことが複数回あるなら、たまたまの出来事ではなく誰かの嫌がらせと考えられます。
- 手紙などの郵便物や洗濯物を盗む、または道路上にばらまく
- 車に傷をつけられた、タイヤがパンクしている
- 家の前や庭にゴミがばらまかれる
- 汚物や死骸などが送りつけられた
- 会社や学校のロッカーに入れていた着替えや靴にイタズラされる
- 自宅の壁に落書きなどのイタズラ
- 職場でパワハラやセクハラの被害
- 悪口、または評価や名誉が損なわれるような噂をばらまかれる
繰り返し、このような被害があるなら要注意です。また、嫌がらせは多種多様ですから、これら以外にも何か不快な出来事が続くなら、1人で悩まず探偵に相談しましょう。
探偵が行う嫌がらせ調査の目的とは?
探偵に調査を依頼し、調査によって嫌がらせの全貌が明らかになっても、それだけでは嫌がらせは治まりません。その調査結果は次の段階へ進むために是非必要なものであり、そこから解決に向けて進展していくのです。
つまり、探偵に調査を依頼するのには、そこから先に最終的な目的があるからで、調査完了がそのまま嫌がらせの解決・人間関係の改善になるわけではないことは理解しておきましょう。
探偵による嫌がらせ調査の目的は主に以下の3つです。
- 嫌がらせを止めさせるため
- 嫌がらせの証拠を収集し警察に届け出るため
- 嫌がらせを行っている人を特定し賠償を求めるため
一つずつ、詳しく解説していきます。
1.嫌がらせを止めさせるため
加害者が誰なのかわかっていても、「知らない。何もやっていない。」と言い張られたら水掛け論に終わってしまいます。
しかし、加害者である証拠を突きつけられるとどうでしょう。「まずいことになった」と弱気になる可能性があります。
証拠があれば、警察が動いた際にも言い逃れができません。ですから、加害者自身が追い詰められた状況になり、それ以上嫌がらせを継続する気力を失うでしょう。
また、探偵を雇って本気で調査をしていることが伝われば威嚇となり、嫌がらせを止めさせられる可能性もあります。
2.嫌がらせの証拠を収集し警察に届け出るため
嫌がらせの被害にあっていても、それを克明に記録している人はほとんどいません。むしろ、不快になる証拠品はさっさと処分してしまうケースが多いです。探偵に相談して初めて、記録しておくことの重要性を知る人が大半でしょう。
克明な記録は、どれほど多くの被害にあっているのかを、具体的に示します。それに加えて、加害者による嫌がらせを撮影した証拠写真や映像は、何にも増して説得力があります。
証拠がそろっていれば、警察に対して相談や被害届のレベルではなく、告訴状を提出することも視野に入ってきます。被害の深刻さや嫌がらせを実行している様子を目の当たりにして、警察も事件性を認めて動き出す可能性があるわけです。
3.嫌がらせを行っている人を特定し賠償を求めるため
嫌がらせでは加害者が誰なのかわからないというケースは、それほど珍しくはありません。そのような加害者は「バレるとまずい」と考え、自分が犯人だと思われないように密かにやっているわけです。
しかし、探偵の調査によって加害者が判明すると、事情が変わってきます。さらにその証拠まで押さえられていると、まさに加害者にとって「バレるとまずい」状態になってしまうわけです。
嫌がらせの内容によっては刑事罰もある上、損害賠償の対象にもなります。ですから、誰が加害者なのかを特定することは極めて重要なのです。
探偵が行う「嫌がらせ調査」とは?
被害を被っている嫌がらせについて、探偵に調査を依頼すると、どのような調査が行われるのでしょう。
嫌がらせの状況はさまざまなので、それに合わせて最適な調査が行われますが、ここでは主な調査を6つご紹介します。
まず、嫌がらせの現場を押さえる「張り込み」、被害状況や手がかりを周辺から集める「聞き込み」、重要な「証拠写真の撮影」、加害者の割り出しと人物像を調査する「身元調査」と「素行調査」、それに「盗聴器捜索調査」です。
張り込み
張り込み調査とは、一定の場所に留まり特定の対象を監視する調査方法です。
継続的に行われている嫌がらせなら、今後も同じような嫌がらせが続くと考えられます。その場合、これまでの手口から、次はどこでどのような嫌がらせがあるのかを予想し、その場で張り込み調査が行われるでしょう。
たとえば、被害者の自宅の前にゴミを散乱させたり、郵便物を盗んだりする被害が何度も繰り返されてきたなら、その現場で張り込み調査を行うわけです。そして、その調査中に加害者が嫌がらせを行えば証拠が手に入ります。
聞き込み
なぜ嫌がらせをされているのか、その原因が不明で、被害者には全く身に覚えがないケースがあります。また、他に同様の被害者がいるのではないか、加害者の人物像や評判など、知りたいことがいくつもあります。
そうしたことは地道な聞き込み調査で明らかにしていきます。加害者の自宅周辺や被害者の自宅周辺に住んでいる人、職場の関係者など、さまざまな人々からごく自然に情報を得る調査方法です。
このような調査で得た情報は、証拠として有力ではなくても、嫌がらせ調査の計画見直しや加害者との交渉に役立ちます。
証拠写真の撮影
探偵が調査した結果、嫌がらせが行われているところを「調査員が目撃しました」では、証拠能力が弱すぎます。客観的にみれば、“被害者から依頼を受けている探偵”という関係上、依頼者の願いに沿うような証言をする可能性も指摘されるでしょう。
そのため、撮影しておくことが重要で、写真や映像に“加害者が嫌がらせをする様子”が写っていれば、客観的で力強い証拠となります。慰謝料を求める民事裁判や逮捕後の刑事裁判でも、証拠として採用されるでしょう。
探偵は、調査の中で遭遇した数々の場面を撮影します。また、同じ場所で嫌がらせが繰り返されるなら、そこに定点カメラを設置するといった方法でも行われます。
犯人の身辺調査
身辺調査とは対象者がどこの誰なのかを明らかにする調査です。
加害者が面と向かって嫌がらせをしてくる場合は、詳しい調査をするまでもなく、加害者が誰なのか判明しています。住所氏名に間違いがないか確認する程度の身辺調査になるでしょう。
しかし、加害者が誰かわからない場合、加害者の割り出し、つまり本格的な身辺調査が必要です。張り込み調査で加害者が現れたら、そのまま尾行し住所と名前を確認します。
このように身辺調査で加害者が誰なのか確認できれば、嫌がらせ調査は次の素行調査へと進むでしょう。
探偵による身辺調査について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
犯人の素行調査
素行調査は、対象者が日常どのような行動やふるまいをしているのかを調べる調査です。つまり、普段の行いから品性や品格など人間性も含む人物像を明らかにするわけです。
具体的には、加害者を尾行して、日常の行動やよく立ち寄る店、生活の実態や言動、交友関係などを調べ、その人物像を明らかにしていくことになるでしょう。
職場でパワハラ・セクハラを繰り返す人物に対して素行調査を実施したら、私生活に大きな問題があったことが判明する場合もあります。
そして、得られた情報は、嫌がらせ問題の解決に向けた話し合いを検討する上で役に立ちます。話し合いが可能な相手なのか、それとも不可能なのか、訴訟に踏み切るべきかなど、加害者の人間性から判断するわけです。
盗聴器捜索調査
誰もが自宅にいる時にはリラックスしています。人前では発言に気をつけていても、自宅では言いたい放題のことを言っているものです。
会社の上司の悪口や、近所の人への不平不満など、他人には絶対に聞かれないことを前提にして発言しています。それは、誰にも気を使わなくてよいプライベートな空間だからです。
そこに盗聴器を仕掛けられるほど嫌なことはありません。しかし、逆の立場から見ると、だからこそ嫌がらせとして有効なのです。
ですから、嫌がらせを受けている状況ならば、盗聴器も警戒すべきでしょう。探偵は仕掛けられた盗聴器を発見する調査も行います。
探偵に嫌がらせの証拠を掴んでもらった後は
探偵の調査によって嫌がらせの実態が明らかになり、その証拠を掴んだら、調査としてはひとまず完了です。しかし、嫌がらせ問題が解決したわけではありません。
しかし、その後の展開において、その調査結果は、嫌がらせに対して具体的な対処を行っていくための心強い力となるものです。それは、刑事事件として警察に訴えていくための証拠であり、また、交渉や裁判の時に嫌がらせがあったことを立証してくれます。
ここからが、嫌がらせへの対策として、その最終段階の始まりなのです。
警察に調査報告書を持参し被害届けを出す
もし、嫌がらせをしてくる犯人を自力で突き止めたとしても、証拠の掴み方や見せ方に問題があっては警察は取り合ってくれません。
探偵なら、法的に有効な証拠の見せ方や、報告書の作り方のノウハウがあります。
しっかり調査した結果を証拠とともに記録した調査報告書を見せれば、明らかな事件性を示せます。調査報告書によって、住居侵入、窃盗、器物損壊、迷惑防止条例違反などが明らかになれば、刑事事件としての捜査が可能になるわけです。ですから、探偵が作成した調査報告書を持って、警察に被害を訴えに行くとよいでしょう。
探偵と連携している弁護士に相談する
嫌がらせ調査が完了して、加害者が特定され、被害が証拠とともに明らかになったら、今度はそれを武器に加害者との交渉や裁判を行っていく段階となります。ただし、自分で加害者と交渉するのは、この段階でもおすすめできません。
加害者は、何らかの理由で、被害者が苦しむことを望んでいることでしょう。被害者は、これまでの被害の数々に、怒りと鬱憤が溜まっています。当人同士だけで話し合えば、どんな事件が起こるのか、予想するのは容易なことです。
そこで、代理人、つまり弁護士に相談するとよいわけですが、新たに弁護士を探すのも大変ですから、探偵と連携している弁護士をおすすめします。探偵と連携していることで、代理人として案件の受け継ぎがスムーズです。
アルシュ品川探偵事務所では、弁護士との連携を行っております。詳しくはこちら
まとめ
嫌がらせをする人は、被害妄想が強かったり自己顕示欲が強かったりして、嫉妬心・被害者意識を抱きやすい傾向があります。自分で解決を図ろうと交渉することは、かえって加害者を刺激することになり、嫌がらせがエスカレートするリスクがあり、おすすめできません。
また、警察には相談した方がよいのですが、そう簡単に動いてはくれません。ひとまず警察に相談しておきつつ、探偵に嫌がらせ調査を依頼することをおすすめします。
探偵ならば、警察と違ってなかなか動かないということはありません。早速、加害者への調査、被害状況の調査などを開始してくれます。
そうして得られた嫌がらせの証拠が、警察を動かしたり、交渉や裁判での有力な武器となるのです。
現在、嫌がらせにお困りの方は、ぜひアルシュ品川探偵事務所にご相談ください。いじめ・痴漢・嫌がらせに対し、ご要望に沿った方法で解決をサポートし、安心して暮らせるようお力になります。
ご相談お見積もりは無料。大きな問題になる前にアルシュ品川探偵事務所へお問い合わせくださいませ。