ちょっと出来心で…では済まない!知っておこう、不倫した時のリスク

『不倫はバレなきゃ大丈夫』『遊びならちょっとくらい不倫してもいいでしょ』

もし今、この記事を読んでいるあなたが、そんな風に思っているとしたら、それは大変危険な兆候です。

あるいは、パートナーの不倫に気づき、今後の展開に不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

テレビドラマや映画の中では、まるでロマンチックな出来事のように描かれがちな不倫ですが、現実の世界では、あなた自身そしてあなたの周りの人々を巻き込み、計り知れないほど大きなリスクを伴います。

この記事では、探偵事務所として数々の不倫問題を目の当たりにしてきた私たちが、不倫がもたらす具体的なリスクについて、法的側面、精神的・社会的側面、そして経済的側面や見落とされがちな健康面のリスクについても触れていきます。安易な気持ちで不倫に足を踏み入れることの恐ろしさ、そしてもし不倫をしてしまった場合に直面する現実を知ることで、取り返しのつかない事態を避けるための一助となれば幸いです。

なぜ「出来心」では済まされないのか? 不倫の定義と法的責任

まず、不倫とは具体的に何を指すのでしょうか? 法律上の「不倫」は、民法上の「不貞行為」にあたります。

民法第770条1項1号 において、離婚原因の一つとして「配偶者に不貞な行為があったとき」と定められています。この「不貞行為」とは、夫婦の貞操義務に違反する行為、すなわち配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを指します。

キスやデートだけでは原則として不貞行為にはあたりませんが、肉体関係があれば一度きりでも不貞行為とみなされます。

そして、この不貞行為は、法的に以下のような責任を伴います

  • 離婚の危機と慰謝料請求のリスク

不倫が発覚した場合、まず間違いなく夫婦関係は破綻の危機に瀕します。離婚を突きつけられる可能性は非常に高く、もし相手が離婚に応じなくても、不貞行為は法定離婚原因となるため、調停や裁判で離婚が認められる可能性が高まります。

さらに、不倫をされた側(貞操権を侵害された側)は、不倫をした配偶者と不倫相手に対し、精神的苦痛に対する損害賠償、すなわち慰謝料を請求することができます。

《慰謝料の相場》

慰謝料の金額は、不倫の期間、頻度、悪質性、婚姻期間、子どもの有無、夫婦関係の破綻の程度など、様々な要素によって変動しますが、一般的には以下の金額が目安となります。 

  • 離婚しない場合: 数十万円~200万円程度
  • 離婚に至る場合: 100万円~300万円程度(事案によってはさらに高額になることも)

慰謝料は、不倫をした側(有責配偶者)と不倫相手の双方が連帯して責任を負うのが原則です。例えば、不倫相手に十分な資力がない場合など、不倫をした配偶者が全額支払う義務を負うこともあります。

関連記事:浮気による慰謝料請求ができるケースとできないケース、慰謝料が高額になるのはどんな時?

  • 親権問題への影響

もし夫婦の間に子どもがいる場合、不倫は親権問題に影響することもあります。裁判所が親権者を判断する際には、子どもの利益を最優先に考えます。不倫によって夫婦関係が破綻し、子どもの生活環境が不安定になったり、不倫の事実が子どもに悪影響を与えたりすると判断された場合、不倫をした側に親権が認められにくくなる可能性があります。

特に、不倫相手に夢中で育児放棄をしたり自分勝手に不倫相手と同棲を始めるなど、子どもに直接的な影響を与えるような状況であれば、親権取得はより困難になるでしょう。

  • 財産分与への影響(限定的)

不倫は慰謝料の請求原因とはなりますが、基本的に財産分与の割合には直接影響しません。財産分与は、夫婦が婚姻期間中に築き上げた共有財産を、それぞれ公平に分配するものです。

ただし、不倫が原因で夫婦の共有財産を著しく浪費したり、不倫相手に多額のお金を使ったりした場合は、その分が財産分与の対象から外れる、あるいは請求する側に有利に考慮されるケースもゼロではありません。

不倫が与える精神的・社会的リスク

不倫のリスクは、法的なものだけにとどまりません。あなたの心や社会的な立場にも大きな影響を及ぼします。

・精神的負担と自己肯定感の低下

不倫をしている間は、常に嘘をつき続ける罪悪感、バレるのではないかという恐怖、そして将来への漠然とした不安に苛まれます。ストレスは精神を蝕み、食欲不振や不眠、うつ病などの精神疾患を引き起こす可能性も否定できません。

また、不倫が発覚し、パートナーや子どもを深く傷つけた事実は、あなた自身の自己肯定感を著しく低下させます。「自分は最低な人間だ」という思いに囚われ、立ち直るまでに長い時間と労力を要することになります。

不倫相手との関係は、常にどこか満たされない不健全なものです。本当の信頼関係を築くことは難しく、最終的には関係が破綻しさらなる心の傷を負うことになるかもしれません。

・家族関係の崩壊と子どもの心の傷

不倫が発覚した場合、夫婦関係の修復は極めて困難になります。信頼は一度失われると、取り戻すことは至難の業です。たとえ離婚に至らなくても、夫婦間の溝は深く、冷え切った関係が続くことになるでしょう。

最も心を痛めるのは、子どもたちです。両親の不倫は、子どもの心に深い傷を残します。

親への不信感、家庭の不安定さ、将来への不安など、多岐にわたる精神的な問題を引き起こす可能性があります。子どもの成長に悪影響を与え、その後の人生にまで影響を及ぼすケースも少なくありません。

また、実家や義実家との関係も悪化します。家族の評判を傷つけ、関係が断絶してしまう可能性すらあります。

・社会的信用の失墜

不倫が周囲に知られると、あなたの社会的信用は大きく損なわれます。職場での立場、友人関係、地域社会での評判など、様々な面で悪影響が出ることが予想されます。

  • 職場でのリスク

不倫に伴う行為によっては『業務に支障をきたした』『運営を阻害した』『損害を与えた』『会社の名誉を毀損した』『職場の秩序を乱した』などとして、部署異動や降格、減給や最悪の場合懲戒解雇など、職務上の不利益を被る可能性があります。

  • 友人関係の悪化

不倫という行為は、多くの人から批判的に見られます。親しい友人であっても、あなたへの信頼を失い、距離を置かれるようになるかもしれません。

  • 地域社会での孤立

PTA活動や地域活動など、コミュニティにおけるあなたの立場が危うくなることもあります。

一度失った信用を取り戻すのは、非常に困難なことです。不倫は、あなたの人生そのものを揺るがしかねない行為です。

慰謝料だけじゃない!見えにくい経済的リスク

慰謝料の支払いだけでも大きな経済的負担となりますが、不倫には他にも様々な経済的リスクが潜んでいます。

・探偵費用

もしパートナーの不倫を疑い探偵に調査を依頼した場合、多額の調査費用がかかります。

探偵費用は、調査期間や内容によって異なりますが、数十万円から数百万円に及ぶことも珍しくありません。

探偵費用については基本的には依頼者が負担することになりますが、場合によっては浮気した人に一部請求できるケースもあります。

・弁護士

不倫問題が裁判に発展した場合、弁護士を依頼することになります。

弁護士費用は、着手金、成功報酬、実費などで構成され、事案の複雑さや争いの程度によって大きく変動しますが、数十万円から数百万円かかることが一般的です。

慰謝料を請求される側、請求する側のいずれにおいても、法的知識がなければ適切に対応することは難しく、弁護士に依頼せざるを得ない状況に陥るでしょう。

・引越し費用や新たな生活費

もし不倫が原因で離婚に至った場合、あなたは現在の住まいを離れ、新しい住居を探す必要があります。敷金、礼金、引っ越し費用など、まとまったお金が必要になります。

また、離婚によって一人になったり、子どもとの生活になったりした場合、これまでの生活費とは別に、新たな生活基盤を築くための費用や、子どもの養育費などが加わることもあります。収入が減り支出が増えることで、生活が困窮する可能性もあるでしょう。

・養育費や婚姻費用

離婚した場合、子どもがいる親は、原則として子どもの養育費を支払う義務があります。また、離婚が成立するまでの間、収入の少ない側は、収入の多い側から婚姻費用(生活費)を受け取る権利があります。

不倫によって経済状況が悪化しても、子どもの養育費や婚姻費用は減額されにくいのが現状で、これらの費用は支払う義務があります。

・不倫相手への出費

不倫相手へのプレゼント、デート代、旅行代、さらには不倫相手の生活費を援助するなど、不倫期間中に不倫相手に費やすお金は、想像以上に大きな金額になることがあります。

これらの出費は、あなたの家計を圧迫するだけでなく、もし離婚に至った場合、財産分与の際に問題となる可能性もあります。

見過ごされがちな危険!健康面のリスク

不倫は、あなたの健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に注意すべきは、性感染症(STD) のリスクです。

不倫相手がどのような性生活を送っているか、過去にどのような病歴があるかを知ることはできません。不特定多数との関係を持つことで、性感染症に感染するリスクは飛躍的に高まります。

  • 主な性感染症の例: クラミジア、淋病

比較的症状が出にくい場合もあり、気づかないうちに悪化し、不妊の原因となることもあります。

  • 梅毒

症状が進行すると全身に影響が及び、命に関わることもあります。近年、若い世代での感染者数が増加傾向にあります。

  • 性器ヘルペス

完治が難しく、症状が繰り返し現れることがあります。

  • HIV(エイズウイルス)

 感染すると免疫力が低下し、様々な病気にかかりやすくなります。

  • B型肝炎、C型肝炎

 慢性化すると肝硬変や肝がんの原因となることがあります。

  • HPV(ヒトパピローマウイルス)

子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因となるウイルスです。

これらの性感染症は、あなた自身だけでなく、不倫相手、そしてあなたのパートナーにまで感染を広げてしまう危険性があります。特に、無自覚のままパートナーに感染させてしまい、夫婦関係の破綻に繋がるケースもゼロではありません。

性感染症は、早期発見・早期治療が非常に重要ですが、症状が出にくいものも多いため、気づかないうちに病状が進行してしまうこともあります。

不倫をしないために、そしてもししてしまったら

ここまで、不倫がもたらす様々なリスクについて解説してきました。これらのリスクを知ってもなお、「自分だけは大丈夫」と思えるでしょうか?

不倫は、一時的な感情や誘惑に流されることで、あなたの人生を、そして大切な人たちの人生を大きく狂わせる行為です。後悔しても、失ったものを取り戻すことはできません

不倫をしないための心構え

・夫婦関係を見つめ直す

 パートナーへの不満や、夫婦関係のマンネリを感じているのであれば、まずはその問題を夫婦で話し合い、解決策を探しましょう。カウンセリングを受けることも有効です。

・誘惑に負けない強い意志

魅力的な異性から誘惑されたとしても、断る勇気を持ちましょう。「一線を越えなければ大丈夫」という安易な考えは捨て、物理的に距離を置くことが重要です。

・不倫のリスクを常に意識する

今記事で解説したようなリスクを常に頭に入れ、不倫がもたらす悲劇を想像してみてください。

もし不倫をしてしまったら

・すぐに不倫関係を清算する

不倫関係を長引かせれば長引かせるほど、リスクは増大します。一刻も早く不倫相手との関係を断ち切りましょう。

・正直に謝罪する(相手が求める場合)

パートナーに不倫がバレてしまった場合、まずは正直に謝罪し、今後の関係について話し合う姿勢を示すことが重要です。

・医療機関を受診する

不倫相手との性交渉があった場合、たとえ自覚症状がなくても、性感染症の検査を速やかに受けることをお勧めします。あなた自身の健康のためだけでなく、パートナーや将来の家族への感染を防ぐためにも非常に重要です。

・弁護士に相談する

慰謝料請求や離婚問題など、法的な問題に発展しそうな場合はすぐに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けましょう

最後に

不倫は、軽い気持ちで足を踏み入れてはいけない領域です。その代償は、想像をはるかに超えるほど大きく、あなたの人生を深く傷つけ、多くのものを失うことになるでしょう。

もし今、不倫の誘惑にかられているのであれば、この記事をもう一度読み返し、冷静に考えてみてください。そして、大切なパートナーや家族、そして自分自身の未来を守るために、賢明な選択をしてください。

もし、パートナーの不倫に悩んでいる、あるいは自身の不倫問題でどうしていいか分からないという方は、一人で抱え込まず、私たち総合探偵事務所アルシュにご相談ください。秘密厳守で、あなたの状況に合わせた最適な解決策を共に探し、未来への一歩をサポートさせていただきます。

私たちは、あなたが不倫によるリスクから逃れ、平穏な日常を取り戻すことを心から願っています。

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