「浮気が原因で離婚する」という夫婦は多いですよね。近年では夫の浮気だけでなく、妻に浮気されて慰謝料を請求するというケースも増えてきています。
しかし、「浮気の証拠を集めるにはどうすれば良いかわからない」「離婚になった時、財産ってどう分けるのか」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、妻の浮気が分かった時に慰謝料を請求するにはどうすれば良いか、また夫はどう行動すればいいのか、財産分与についてもお伝えしていきます。
目次
妻が浮気した場合の慰謝料の相場は?
慰謝料は、相手方の行為により精神的苦痛を受けた事に対する賠償を求めるものです。相場としては200万から300万程度が多いですが、精神的苦痛は客観的に判断するのは難しく、また事案によっても異なるので、明確な基準はありません。
ここでは、
- 慰謝料を決める時に、何を基準にするか
- 慰謝料が高額になるのはどんな要素があるか
- 浮気相手にも慰謝料は請求できるのか
などについてお伝えしていきます。
さまざまな状況や事情を考慮した上で決定する
慰謝料は、支払う側と請求する側それぞれの状況や事情を考慮した上で決めます。
支払う側(浮気した側)に関する要素としては
- 浮気の期間や程度(結婚生活にどの程度影響していたか)
- 社会的地位(働いている場合、職場での立場等)や支払い能力
請求する側に関する要素としては
- 精神的苦痛の程度
- 請求者側の責任の有無や程度
- 離婚後の生活状況
その他両者共通の要素として
- 結婚生活の期間やお互いの年齢
- 子どもの有無
- 結婚生活の実情
といったことが挙げられます。
慰謝料を高額にするポイント
慰謝料を高額にするポイントは、以下のようなケースです。
項目 | 理由 |
婚姻期間 | 婚姻期間が長い場合には離婚後の再スタートが困難になりやすいことから、増額要素となる |
浮気相手の認識や意図 | 浮気相手が既婚者だと知りながら家庭を壊すつもりで浮気をしていた場合には増額要素となる |
浮気の期間 | 10年以上など長期間にわたっての浮気は、慰謝料の増額要素となる |
浮気の否認 | 浮気が明らかな状況でも浮気を否定し続ける場合、被害者の心情を踏みにじったとして慰謝料の増額要素となる |
浮気相手の子供の妊娠 | 浮気相手との間に子供ができた場合、慰謝料の増額要素となる |
精神的苦痛 | うつ病など、浮気によって夫が精神的損害が発生した場合、それを裏付ける証拠があれば増額要素となる |
夫婦間の子供の有無 | 夫婦間に子供がいる場合は、精神的な損害も大きく、婚姻関係の破綻が明らかのため、増額要素となる |
浮気が原因で精神的苦痛を受けた場合には、うつ病などの診断書や日記などの証拠が有用になります。慰謝料の金額で損をしない為には、弁護士や探偵などに相談してみましょう。
妻の浮気相手にも慰謝料は請求できる
妻の浮気相手に慰謝料を請求するには
- 「妻と浮気をした」という客観的事実があること
- 浮気相手が、交際相手(妻)が既婚者だと知っていた
- 夫婦の婚姻関係が破綻していない
などの件を満たす必要がありますが、慰謝料を請求することはできます。
また、すでに慰謝料を受け取っている場合や、浮気・不倫相手を知った時点から3年を過ぎてしまうと慰謝料の請求ができませんので、注意してください。
妻が浮気している場合にすべきこと
ここまで「妻が浮気をした場合の慰謝料の相場」について説明してきました。
ここでは、妻が浮気している場合にどんなことをするべきかお伝えしていきます。
項目としては、下記の4つがあります。
- 浮気をした根本の原因を探す
- 浮気の証拠を集める
- ローンなどの名義変更をする
- 離婚するか否かを考える
それぞれ、「何故それが必要なのか?」といったことも含めて、説明していきますね。
浮気をした根本の原因を探す
まずは、浮気をした根本の原因を探りましょう。
具体的な例としては
- 自分(夫)の仕事が忙しく、帰りが遅いもしくは出張が多く何日も家を空けることがある
- 妻が利用しているお金について、あまり注意をしておらず、妻に任せきりにしている
- 妻がいる安心感から、付き合った当初よりも厳しい言葉をかけたり、冷たく接してしまっている
- セックスレスになっている
といったことが挙げられます。
原因を見つけるには妻だけでなく、自分自身の行動についても振り返りましょう。
浮気の証拠を集める
根本の原因を探しても改善が見込めない場合は、浮気の証拠を集めましょう。
浮気の証拠として慰謝料請求相手と性行為をしていることが明らかである写真を撮影するなどがあげられますが、個人で証拠を集めきることは難しいでしょう。
また、無理に証拠を集めようとすると関係性が悪化してしまう可能性もあります。
そんな場合には、探偵事務所に依頼し、証拠を集めることをおすすめします。探偵事務所が提出する調査結果は、裁判や慰謝料請求に有利になることが多いです。
浮気調査の方法については、以下の記事も参考にしてください。
ローンなどの名義変更をする
婚姻している場合は、住宅ローンや車のローンが存在すると思います。その際の名義が妻である場合は、ローンの支払いをめぐってトラブルになる可能性が有ります。
離婚を視野に入れている場合は、早い段階からローン等の名義変更をしておくことを検討しましょう。
クレジットカードなども自分(夫)の名義のものは妻は使えないようにするなど、「妻だけが使うお金」を明確にしておけば、財産分与もしやすくなりますよ。
離婚するか否かを考える
浮気をしていることが確定と分かると、感情的になってしまい、即離婚を考えてしまうかもしれません。すぐに離婚をしてしまうと、親権や慰謝料請求で損をしてしまう、離婚した後も関係性を戻したいと後悔することもありますので、一度冷静に離婚するか否かを考えるようにしましょう。
離婚することに迷っている場合は、離婚せずに別の方法を取ってみましょう。
具体的には
- 関係を修復するよう努力する
- 夫婦でカウンセリングを受ける
- 距離を置くために別居をする
というのがあります。離婚は、心身だけでなく経済的にも大きな負担がかかります。関係を修復して今の生活を続けることが出来るかどうか、考えることから始めましょう。
妻が浮気をしている場合にしてはいけないこと
上記では「妻が浮気をしている場合にすべきこと」についてお伝えしてきました。では「してはいけないこと」は何でしょうか。
具体的には
・浮気調査をしていることを伝える
・脅迫や暴力行為
・プライバシーの侵害
というのがあります。これらを行うと離婚しづらくなるだけでなく、裁判になった時に振りになる可能性があります。
それぞれ何故してはいけないのか、説明していきます。
浮気調査をしていることを伝える
まず、妻に浮気調査をしていることを伝えないようにしましょう。なぜなら「証拠を隠されてしまう」からです。浮気相手との写真やメール等のやり取りが消されたり、2人で外出するのを控え、証拠写真が手に入れられなくなってしまいます。
また伝えなくても、女性の勘は鋭いです。突然夫が優しくなったり、あれこれ聞いてきたりすると、妻は疑問に感じ、用心するようになります。
調査中はあくまでも今まで通り接するように心がけましょう。
脅迫・暴力行為
「パートナーが浮気をして、許せない」という想いは、誰でもありますよね。しかし感情的になり、脅迫や暴力は絶対にしてはいけません。
特に暴力行為は、「夫からDVを受けた」と言われかねません。ケガをした妻が病院を受診し、診断書等の医療記録が裁判で提出されれば、妻側が有利になってしまいます。
それだけでなく、夫である自分自身の印象も悪くなり、近所や職場でも敬遠されるということにもなりかねません。
相手を責めたいという気持ちは分かります。しかしここはぐっとこらえて、理性的に行動するようにしましょう。
プライバシーの侵害
浮気の証拠を集めようと、無断で携帯の中身を見ようと考える人もいますよね。しかし妻の携帯を勝手に覗いたり、保存したりすることはプライバシーの侵害にあたります。
また妻のメールサービスのユーザー名やパスワードを何らかの方法で知り、自分のパソコンを使って妻になりすましてメールアドレスにログインすると「不正アクセス禁止法違反」となり、刑事罰を受ける可能性が出てきます。
プライバシーを侵害せずに証拠を集めるには、公開されている情報から証拠を見つけるようにしましょう。
妻の浮気を疑った時、探偵事務所に相談すべき理由
妻の浮気を疑った時、弁護士等の法律の専門家に相談したいと考えても「ハードルが高い」「費用が高そう」と躊躇しがちですよね。
そんな人は、最初に探偵事務所に相談しましょう。探偵事務所を使うメリットとして
・法に従って浮気調査ができる
・慰謝料請求で有利になる
というメリットがあります。
それぞれどのようなメリットなのか、お伝えしていきますね。
法に従って浮気調査ができる
探偵というのは、すぐになれるものではありません。探偵業を営む場合、「探偵業法」に基づき、公安委員会に「探偵業開始届出書」を提出することが義務づけられています。届出書を出すと、届出番号が割り振られ、合法的に調査をすることが認められます。
なので、
・妻や浮気相手を尾行してデートをしている様子を写真に撮る
・知り合い等から浮気をしているかどうかの情報収集を行う
といった行動が、法律によって許されているのです。
探偵事務所を探す際は、ホームページ等に「届出番号」が記載されているかどうかも確認しましょう。記載されていないと、適切に営業していない探偵事務所の可能性が高いです。
慰謝料請求で有利になる
上記のように、探偵事務所は法に従って浮気調査が出来ます。なので
・妻や浮気相手とのメールのやり取り
・デートをしている写真
といった、客観的に見ても浮気の事実が分かる証拠を集めることが、可能なのです。
何故客観的に見ても分かる証拠が必要かと言うと、慰謝料を請求する際
・妻はどの程度不貞を働いたのか
・それにより、自分(夫)はどの程度心身共に苦痛を味わったのかを、明確に伝える必要があり、それをするには証拠が必要不可欠だからです。
探偵事務所がしっかりとした証拠を集めてくれれば、有利に動くことができます。
探偵による調査を依頼するか迷ったら、以下の記事も確認してください。
離婚する前に探偵による調査を依頼したほうがいい!その理由とは?
妻の浮気で離婚する場合の財産分与の対象になる財産
財産分与は、離婚する前に取り決めることになっています。離婚後でも請求することは可能ですが、2年という期間があるので注意が必要です。しかし「何が財産分与の対象になるか、分からない」という人もいますよね。
ここでは、何が財産分与の対象になるかをお伝えしていきます。項目としては
- 現金や預金
- 不動産
- 有価証券
- 家具や家電
といったものがあります。それぞれどのようにして分けるか、説明していきますね。
現金・預金
現金や預金は、夫婦が結婚生活の中で協力して築き挙げたものなので、財産分与の対象になります。
とはいえ共働きの場合、お互いの預金を知らないという場合も多いですよね。また口座をいくつか持っている場合、どの口座にどの位の預金があるのか、定期預金はあるのかといったことも把握出来ていない場合もあります。
離婚を視野に入れ始めたら、自分の現金や預金はどの位あるか、書類などにまとめてすぐに提出出来るようにしましょう。
不動産
不動産の評価額は、離婚が成立した時点もしくは別居の時点が基準となります。
不動産を分与する場合には、次の4つの方法があります。
- 売却して、代金から経費などを引いた売却益を分ける
- 夫か妻どちらかが所有し、分与の差額を現金で支払う
- 相手名義の家に住み、賃借権を設定して家賃を払う
- 分与の割合に応じて共有にする
といった方法があります。
しかし不動産を分与する場合には支払う側と受け取る側双方に税金の支払い義務が生じます。何が1番良い方法なのか、専門家のアドバイスを受けながら決めていきましょう。
有価証券
有価証券の場合、原則として別居時もしくは裁判時の時価によって評価します。有価証券は株式の他、手形や小切手も含まれます。株式の場合、上場会社の株式は取引が頻繁に行われるので、財産価値の把握が容易です。
しかし非上場会社の株式の場合、財産価値があるかどうか分からない場合があります。その時は、公認会計士などの専門家に評価してもらいましょう。
家具・家電
家具や家電といったものも、夫婦の共同財産になります。とはいえ物理的に分与するのは難しいですよね。
主に用いられる方法としては
- 売却し、現金として財産分与に入れる
- どちらかが譲り受ける
という方法があります。「ネットで売ろう」と考える場合が多いでしょうが、確実に売れるという保証はありません。なるべく早く売りたいという人は近くのリサイクルショップ等に持っていきましょう。
財産分与の対象にならない財産
財産の中でも、分与の対象にならない「特有財産」というのがあります。
具体的には
- 結婚前から所有しているもの、また貯蓄
- 結婚後、父母などから相続したり贈与された財産
- 嫁入り道具、結婚前に購入した家具や家電製品
等があります。
これらは個人の所有という形になるのですが、証明するための証拠が必要です。結婚前の貯蓄については、繰り越して使わなくなった通帳などが証拠の1つになるので、大事に保管しましょう。
相続や贈与された財産についても、専門家に依頼して公的書類を作成し、特有財産だと証明できるようにしておくと良いですよ。
妻の浮気で慰謝料をもらっても損をするケース
色々と準備をし、裁判を起こして慰謝料を請求することが出来ても、夫側が損をするというケースがあります。具体的には
- 妻が親権になった場合
- 夫が年金を多く納付している場合
- 夫が退職金をもらった場合
という3つのケースがあります。これらは法律上避けられない場合もあり、離婚するに当たって予め知っておくと心構えが出来ます。
それぞれ何故損をするのか、お伝えしていきますね。
妻が親権になった場合
妻に裏切られたあげく、子どもまで取られてしまうのは辛いですよね。しかし裁判においては、浮気をしていても親権が妻になる場合が多いです。
親権を決める時の基準の1つに「母性優先の原則」というものがあります。これは結婚生活の中で子どもを監護(母親的な役割を果たしてきた方)が親権者として優位性があるという考え方です。
妻の浮気が原因で離婚する場合でも、この原則は変わりません。なので「妻は浮気をしたから、親権者としてふさわしくない」という主張は基本的には認められていないのです。
親権が妻になった場合には、毎月養育費を支払う義務が発生します。養育費は基本的に子供が20歳になるまで続きますので、子供が小さいほど多くの養育費を支払うこととなるため、慰謝料を貰っても損をしてしまうことが多いです。
夫が年金を多く納付している場合
離婚の際の年金分割は、厚生年金を対象にしています。年金を分割する制度としては
・夫婦の合意または裁判手続きできめる「合意分割」
・夫の厚生年金を半分に分けて分割する「3号分割」
の2つの制度があります。
3号分割は専業主婦が対象になります。結婚期間に第3号被保険者であった期間の夫の厚生年金の半分を受け取れることになるのです。
なので、夫が年金を多く納付している場合はそれだけ妻側にも分けなければなりません。
そのため、慰謝料を貰っても損となってしまう可能性があります。
ただし、妻がパートをして社会保険に加入していた場合は「合意分割」の制度に従って決めることができますので、そちらも注意して確認しましょう。
夫が退職金をもらった場合
退職金は、自分が勤めて得ることができたお金なので、全て自分のもので良いと思うかもしれませんが、法律上、退職金は財産分与の対象財産となります。
そのため、妻は夫が退職したのを機に離婚するというケースが多いのです。
また、離婚時に退職していなくとも、その時点で確定している退職金の額について分与対象になることもあり得ます。退職金について財産分与をした結果、慰謝料を貰っても損をしてしまうこともあるでしょう。
妻の浮気で慰謝料請求は可能。浮気調査はアルシュ品川探偵事務所お任せください
妻の浮気で慰謝料請求を考えている方は、ぜひ一度プロに相談することをおすすめいたします。
浮気調査で探偵事務所をお探しの方は、「アルシュ品川探偵事務所」に一度ご相談ください。
特徴としては「全員がベテランの元刑事」だということです。刑事時代に培った経験と感覚を活かし、最短で結果をお出しします。
また調査期間や内容も依頼者様に合わせたプランをご提案いたします。「お金がなくて予算が限られている」という方も、是非お話をお聞かせください。