社内不正が起こりやすい時期とタイミング。社内不正調査の正しいやり方

企業の存続や社会的信用を根底から揺るがす「社内不正」。横領、情報漏洩、不正経理、キックバックの要求など、その手口は多岐にわたります。経営者にとって信じたくない事実ですが、実は社内不正が増える時期や起こるタイミングには明確な傾向があるのをご存知でしょうか。

本記事では、警察組織で長年事件と向き合ってきた元刑事の視点から、社内不正が発生しやすい危険な時期と、企業が取るべき社内不正調査の正しいやり方、そして失敗しないための鉄則を徹底解説します。

社内不正が増える時期・起こるタイミングとは?

社内不正は、特定の「環境の変化」や「心理的プレッシャー」が引き金となって発生します。具体的に、社内不正が増える時期・起こるタイミングとして警戒すべき4つのポイントを解説します。

決算期・人事異動の直前(3月・9月など)

決算月や、人事異動の内示が出る時期は、最も不正が発覚しやすく、同時に「駆け込み」で不正が行われやすいタイミングです。

これまで巧妙に隠蔽してきた横領や不正経理が、業務の引き継ぎや外部監査によって露見することを恐れ、書類の改ざんや証拠隠滅を図るケースが急増します。

また、「異動してしまえばバレないだろう」「今の部署にいるうちに最後にやっておこう」と大胆な犯行に及ぶことも少なくありません。

長期休暇の前・連休中(GW、お盆、年末年始)

管理職や監査部門、セキュリティ担当者の目が行き届きにくくなる長期休暇中も、社内不正が起こるタイミングとして要注意です。

休日はオフィスや工場に人が少なくなり、機密情報の持ち出しやサーバーへの不正アクセス、横領などの物理的な「機会」が生まれます。また、休暇の遊興費欲しさに小口現金の着服などが行われることもあります。

業績悪化・ボーナス減額のタイミング

企業の業績が悪化し、給与カットやボーナスが減額された時期は、従業員の会社に対する不満が高まります。

「自分はこれだけ貢献しているのに正当に評価されていない」「会社から少し奪ってもバチは当たらないだろう」という「正当化」の心理が働きやすくなります。

この時期は、顧客リストなど機密情報の競合他社への売却や、会社備品の転売といった金銭目的の社内不正が増える時期となります。

経営陣の交代・M&A(合併・買収)時

組織体制や社内システムが大きく変わるタイミングは、業務フローに死角が生まれやすくなります。

新しいルールやコンプライアンス体制が完全に定着するまでの「移行期間」は、チェック機能が一時的に麻痺することが多く、システム統合の隙を突いた不正送金やデータ持ち出しの絶好の機会となってしまいます。

なぜ特定の時期に社内不正が起こるのか?「不正のトライアングル」

米国の犯罪学者ドナルド・クレッシーが提唱した「不正のトライアングル」という理論があります。人は以下の3つの要素が揃った時に、魔が差したように不正を働くとされています。

  • 動機・プレッシャー: 個人の借金、ノルマ達成の重圧、待遇への不満など。
  • 機会: 不正を行っても発覚しにくい環境(長期休暇中、管理体制の甘さ、システム移行期)。
  • 正当化: 「一時的に借りるだけだ」「会社が悪いのだから仕方ない」という身勝手な自己解釈。

前述した「社内不正が増える時期」は、まさにこの3要素が揃いやすい危険なタイミングなのです。経営者や人事・総務担当者は、これらの時期に意図的に警戒レベルを引き上げ、監査の目を光らせる必要があります。

【元刑事が解説】社内不正調査の正しいやり方と手順

「社内で不正が起きているかもしれない」という疑念が生じた際、経営者が感情的になり、いきなり本人を呼び出して問い詰めるのは絶対にやってはいけないNG行動です。

元刑事の経験から断言しますが、一度対象者に警戒され、証拠を隠滅されてしまえば、真実を暴くことは極めて困難になります。

ここでは、証拠を逃さず言い逃れを許さない「社内不正調査」の正しいやり方・5つのステップを解説します。

ステップ1:極秘での情報収集と初期調査

最初の鉄則は「対象者に絶対に悟られないこと」です。社内の噂や内部告発があった場合、調査チームはごく少数(経営層と一部の信頼できる役員・法務担当のみ)で編成します。

出退勤記録、経費精算の履歴、防犯カメラの映像などを、普段の業務を装って静かに収集します。

ステップ2:デジタルデータの保全(フォレンジック調査)

現代の社内不正調査において、最も強力な武器となるのがデジタル証拠です。対象者が使用している社用パソコンやスマートフォン、メールサーバーのデータを保全します。

この際、単にデータをコピーするのではなく、法的な証拠能力を持たせるための「デジタルフォレンジック」という専門的な技術を用います。対象者が意図的に削除したメールやファイルも、この技術によって復元できる可能性が高まります。

ステップ3:証拠の精査と関係者の特定

保全したデジタルデータと物理的な証拠(書類、帳簿など)を突き合わせ、不正の手口、被害総額、共犯者の有無を徹底的に洗い出します。「誰が・いつ・どこで・何を・どのように・なぜ(5W1H)」行ったのか、客観的な事実のみでパズルを組み立てるように全体像を構築していきます。

ステップ4:対象者へのヒアリング・事情聴取

対象者本人への事情聴取は、必ず「最後」に行います。 

逃れられない動かぬ証拠が完全に揃った段階で初めて実施してください。 ヒアリングは密室を避け、必ず複数人で行い、同意を得た上で録音・録画を実施します。最初からすべての証拠を突きつけるのではなく、まずは一般的な業務の手順などから入り、徐々に対象者の発言の矛盾点を突いていくのが、刑事の取り調べでも使われる効果的な手法です。

ステップ5:処分と警察への相談・法的措置の検討

事実関係が確定し、本人が自白(または証拠によって事実認定)したら、就業規則に基づいた懲戒処分(懲戒解雇など)を下します。横領や背任、深刻な営業秘密侵害など、犯罪行為に該当する場合は、管轄の警察署へ被害届や告訴状を提出します。また、損害賠償請求など民事上の法的措置も並行して進めます。

社内不正調査を自社のみで行うリスクと専門家の必要性

社内不正調査を社内の人間(身内)だけで完結させようとする企業は少なくありませんが、そこには経営を揺るがす大きなリスクが潜んでいます。

  1. 証拠隠滅のリスク: 調査の素人が動くと、高確率で対象者に勘付かれます。PCの初期化や書類の破棄が行われ、迷宮入りするケースが後を絶ちません。
  2. 客観性の欠如(身内への甘さ): 「長年貢献してくれた社員だから」と温情がかかり、調査に手心が加えられることがあります。これが外部に漏れると、企業の隠蔽体質を疑われ、社会的信用が失墜します。
  3. 違法調査のリスク: 証拠集めを急ぐあまり、私物のカバンを無断で漁る、GPSを無断で取り付ける、不当な軟禁状態でのヒアリングを行うなどすれば、逆に企業側がプライバシー侵害やパワハラで訴えられる可能性があります。

なぜ「元刑事のいる探偵事務所」が強いのか?

弁護士は法的な手続き(訴訟や示談交渉)のプロですが、「現場での証拠収集」や「尾行・張り込みによる素行調査」を直接行うことはありません。

一方、警察での捜査経験を持つ探偵は、「どのような証拠を集めれば警察が被害届を受理してくれるか」「裁判で言い逃れできない証拠とは何か」を熟知しています。 証拠収集は探偵に、法的処置は弁護士に依頼するという棲み分けが、最も確実な解決へのルートです。

 

まとめ

社内不正が増える時期や起こるタイミングをあらかじめ把握しておくことは、最高の予防策になります。

決算期や長期休暇前など、リスクが高まる時期は、社内の監視体制やシステムのアクセス権限を改めて再点検してください。

万が一、社内不正の兆候を発見した場合は、決して自己判断で動かず、初動の段階で外部の専門家に頼ることが重要です。

当探偵事務所では、元刑事ならではの「事件を見抜く目」と「合法かつ確実な調査手法」を駆使し、企業の皆様の社内不正調査を強力にサポートいたします。社内トラブルでお悩みの経営者様、人事担当者様は、被害が拡大する前に、ぜひ一度当事務所の無料相談をご利用ください。真実を明らかにし、企業の未来を守るお手伝いをいたします。

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