会社に怪文書が届いた時の全対応マニュアル|NG行為と犯人特定への最短ルート

会社という組織を標的にした「怪文書」。

特定の役員を誹謗中傷する手紙、社員の不倫を告発するFAX、あるいは取引先へ送りつけられる虚偽のメール。これらは単なる嫌がらせの域を超え、企業の社会的信用を失墜させ、健全な経営を脅かす「組織犯罪」に近い側面を持っています。

経営者や総務担当者にとって、怪文書への対応は一刻を争う事態です。しかし、焦りからくる不用意な初動は、犯人を刺激するだけでなく、会社側が法的リスクを負う結果を招きかねません。

本記事では、警察組織で数々の事件を扱ってきた元刑事の視点を持つ探偵事務所が、会社に怪文書が届いた際の「正しい対応」と、絶対に避けるべき「NG行為」、そして実効性のある「犯人特定の手法」を徹底的に解説します。

怪文書の正体と「送り主」のプロファイリング

怪文書トラブルを解決する第一歩は、敵(犯人)を知ることです。元刑事の経験上、企業を標的にする怪文書の送り主は、大きく分けて以下の3パターンに分類されます。

内部の人間(現役社員)

最も多いケースです。昇進への不満、人間関係のもつれ、職場環境への不平不満などが動機となります。内部事情に詳しいため、内容に真実が混ざっていることが多く、最もダメージが大きいタイプです。

 外部の利害関係者(元社員・競合他社)

解雇された元社員や、契約を打ち切られた取引先、あるいはシェアを争う競合他社が、嫌がらせや妨害目的で送るケースもあります。

私的な怨恨(社員の交際相手や配偶者)

社員の私生活(不倫や金銭トラブル)が原因で、その配偶者や交際相手が会社を巻き込んで攻撃してくるパターンです。

「誰が、何の目的で送っているのか」という仮説を立てることが、その後の調査方針を左右します。

会社に怪文書が届いた直後にすべき「4つの正しい対応」

怪文書が届いた瞬間、現場は混乱します。しかし、最も重視するのは「客観的な証拠の保全」です。

証拠の物理的保全(物理的破壊を防ぐ)

怪文書の現物は、最も重要な証拠品です。

  • 過度に触らない

指紋の照合は警察の領域ですが、民間調査でも紙質やインク、郵便物の折れ目、糊の状態などを分析します。劣化を防ぐため、ジップ付きの保存袋やクリアファイルに入れ、高温多湿を避けて保管してください。

メールの場合も、間違えて削除しないように。なるべくそのままにしておいてください。

  • 封筒・切手もセットで保管

 投函場所の消印や、切手の種類、貼り方の癖は、犯人を絞り込む貴重な手がかりとなることがあります。

記録のデジタル化

現物は保管しつつ、高解像度でスキャンまたは写真撮影を行い、デジタルデータとして共有・分析に回します。これにより、原本を汚損することなく複数人で内容を精査できます。

 情報の徹底的な秘匿

「怪文書が届いた」という事実自体を、可能な限り伏せてください。犯人は、会社側が右往左往する反応を見て楽しんでいます。社内で噂が広がれば、犯人が証拠を隠滅したり、第二、第三の攻撃を仕掛けてきたりする恐れがあります。

文面の徹底分析(言語的特徴の抽出)

内容に含まれる「具体的な単語」「独特の言い回し」「誤字脱字の傾向」を分析します。

  • 「その会議に出席した人間しか知らない単語」はないか?
  • 「特定の地方の方言」や「年代特有の表現」はないか?

これらは、内部調査において容疑者を絞り込むための強力なツールになります。

破滅を招く!怪文書対応での「5つのNG行為」

焦燥感から以下の行動をとってしまうと、問題は泥沼化します。

NG①:全社員への「犯人捜し」の公表

「誰か知っている人はいないか」と全社員にアンケートをとったり、会議で議題に上げたりするのは最悪の選択です。

犯人が内部にいる場合、警戒心を高めるだけでなく、無実の社員同士が疑心暗鬼に陥り、職場環境が崩壊します

NG②:根拠のない「特定の個人」への追及

「あの人が怪しい」という直感だけで特定の個人を問い詰めたり、配置換えを行ったりするのもNGです。

もし冤罪であった場合、会社は名誉毀損やパワーハラスメントで訴えられ、巨額の賠償金を支払うリスクを負います。

NG③:怪文書の「全破棄」

「見るのも不愉快だ」とシュレッダーにかける経営者がいますが、これは自らの防御武器を捨てる行為です。

法的措置(民事・刑事)を検討する際、現物がないことは致命的な欠陥となります。

NG④:犯人への「交渉・返信」の試み

犯人が連絡先を残している場合でも、直接交渉しようとしてはいけません。相手の目的は「揺さぶり」であり、本人同士の話し合いだけで解決するケースは稀です。

NG⑤:ネット上への「安易な公表」

「我が社はこのような被害を受けている」とSNS等で公表すると、かえって事態が拡散され、検索結果に「怪文書」というワードが定着してしまう(デジタルタトゥー)リスクがあります。

解決の鍵は「プロの調査」にある

会社が自力で犯人を特定するのは、限界があります。そこで有効なのが、探偵事務所による専門的な調査です。ノウハウを活かした調査は、以下のようなアプローチで行われます。

周辺調査とOSINT(公開情報調査)

ネット上の掲示板やSNSを巡回し、怪文書と類似した内容の書き込みがないかを調査します。近年、怪文書とネット上の誹謗中傷はセットで行われることが多く、デジタル上の足跡から犯人の居住地や属性が判明することもあります

高度な筆跡鑑定のコーディネート

探偵事務所は、長年警察の科学捜査に携わってきた専門家などと繋がりを持つことがあります。社内の提出物(日報や履歴書など)と筆跡を比較することで、科学的な根拠に基づいた「同一人物の可能性」を算出します。

投函場所・ルートの特定と張り込み

消印から判明した投函エリア付近のコンビニ、ポストを特定。不審な行動をとる人物がいないか、元刑事の視点で現場を精査し、必要に応じて張り込みや尾行(素行調査)を実施します。ターゲットが特定のポストに封筒を投函する瞬間を押さえることが、決定的な証拠となります。

社内人物の素行調査

容疑者が絞り込まれた段階で、その人物の退勤後の行動や、接触している人物を調査します。競合他社の人間と密会している、あるいはネットカフェで怪文書を作成しているといった事実を突き止めることができます。

法的措置への橋渡し(民事・刑事)

探偵の仕事は「犯人を見つけること」だけではありません。その後、会社がどう動くべきかまでをサポートします。

  • 民事訴訟(損害賠償請求)

犯人を特定し、被った実害(信用失墜、調査費用、精神的苦痛)に対して賠償を求めるには民事訴訟です。探偵の作成する調査報告書は、裁判で有力な証拠となります。

  • 刑事告訴(名誉毀損・業務妨害)

明らかに悪質な犯罪(名誉棄損、脅迫、侮辱、業務妨害などの犯罪に該当する)である場合、警察へ告訴状を提出を検討します。

元刑事であれば、どのような証拠があれば警察が受理しやすいかを熟知しているため、スムーズな法的手続きが可能になります。

 

おわりに

会社に怪文書が届いた時、それは組織の綻びを示すサインかもしれません。しかし、同時にそれは、不適切な人物を排除し、組織を浄化するチャンスでもあります。

元刑事の視点から断言できるのは、「早期の専門的調査こそが、被害を最小限に抑える道」だということです。

「誰を信じていいか分からない」 「犯人の見当はついているが、証拠がない」 「公にしたくないが、止めてほしい」

そんな不安を抱えている経営者・担当者の方は、まずは私たちのようなプロにご相談ください。私たちは、警察組織で培った「証拠を積み上げる執念」と、探偵としての「柔軟な機動力」を駆使して、貴社の名誉と平穏を守り抜きます。

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