営業職はサボりやすい!?サボりを防ぐために行う企業の対策とは

「外回りの営業マンが昼間に公園のベンチで寝ているようだ」 「直行直帰のふりをして、実はパチンコ店に入り浸っているのでは?」

元刑事として数多くの素行調査を行ってきた私のもとには、経営者や営業部長からこのような相談が後を絶ちません。

営業職、特に外回り営業は、会社から一歩出れば「誰の目にも触れない自由な時間」が生まれます。人間とは弱い生き物です。監視の目がない環境下では、つい甘えが出てしまうのはある種、必然とも言えるでしょう。

しかし、その「サボり」を放置すれば、企業の利益が損なわれるだけでなく、組織全体の士気低下につながります。

本記事では、数々のサボり現場を押さえてきた元刑事の視点から、なぜ営業職はサボりやすいのか、その実態と手口、そして企業が講じるべき効果的な「営業のサボり防止策」について徹底解説します。

関連記事:在宅勤務のサボりについては→在宅勤務の「サボり」はバレる!発覚する手口と企業が取るべき最終手段とは

なぜ営業職はこれほどまでにサボりやすいのか?

まず、前提として理解しておくべきなのは「営業マン個人の資質」だけが問題ではないということです。

営業という職種自体が、構造的にサボりを誘発しやすい環境にあるのです。

「ブラックボックス化」する勤務時間

内勤業務とは異なり、外回り営業は移動時間や商談時間が不透明になりがちです。「商談が長引いた」「電車が遅延した」「次のアポイントまでの待機時間だ」と言われれば、上司はそれ以上追求しにくいのが現実です。この「見えない時間」こそが、サボりの温床となります。

「成果さえ出せばいい」という黙認文化

多くの企業で「数字さえ達成していれば、多少の行動は不問」という暗黙の了解があります。しかし、これは危険な兆候です。

目標を達成しているからといってサボりを放置すると、その社員の成長が止まるだけでなく、「サボってもバレない」という空気がチーム全体に伝染してしまうからです。

直行・直帰制度の悪用

働き方改革により、効率化のための直行・直帰が推奨されています。

しかし、管理体制が整っていない中での直行・直帰は、「遅めの始業」と「早めの終業」を正当化する格好の材料になりかねません。

元刑事が目撃した!営業マンの「サボり」のリアルな手口

私が探偵として行った素行調査の中で、実際に目撃した「営業サボり」の典型的なパターンをご紹介します。

パターンA:商業施設の駐車場・ネットカフェ

最も多いのがこのパターンです。郊外の大型ショッピングモールの立体駐車場で、シートを倒して仮眠。あるいは、漫画喫茶(ネットカフェ)で数時間過ごすケースです。 GPS付きの車両であっても、「このエリアで営業活動中」というアリバイ作りができる場所に駐車するため、位置情報だけでは見抜けないことがあります。

パターンB:架空のアポイント報告(カラ出張)

実際には訪問していないのに、「〇〇商事、訪問済み。担当者不在のため資料投函」といった架空の日報を書く手口です。さらに悪質なケースでは、顧客と結託して訪問したことにしてもらう、あるいは身内の家や自宅に帰ってしまうという事例もあります。

パターンC:パチンコ・サウナ・カラオケ等の娯楽施設

仕事中に「ストレス発散」でしょうか、勤務時間中にパチンコ店やサウナ、カラオケなど、娯楽施設に出入りするケースも後を絶ちません。特にスーツ姿のままパチンコ店に入る営業マンは、我々調査員からすれば「飛んで火に入る夏の虫」。証拠写真は容易に撮れますが、企業にとっては大きな損失です。

放置は危険!企業が行うべき「営業のサボり防止」対策5選

では、こうしたサボりを未然に防ぎ、健全な営業活動を維持するために企業は何をすべきでしょうか。

精神論だけでは解決しません。仕組みによる管理が必要です。ここでは効果的な5つの対策を紹介します。

デジタルツールによる可視化(SFA/CRM・GPS)

現代の営業サボり防止において、デジタルの活用は不可欠です。

・SFA(営業支援システム)/ CRM(顧客管理システム)

 活動履歴をリアルタイムで入力させることで、「今、何をしているか」を可視化します。まとめて入力するのではなく、商談直後の入力をルール化することがポイントです。

・GPSによる位置情報管理

社用スマホや社有車にGPS機能を導入します。ただし、「監視されている」という反発を招きやすいため、「事故時の対応や効率的なルート指示のため」という導入目的の共有と、就業規則への明記が必須です。

日報制度の質の転換

単に「訪問しました」という報告だけでは不十分です。「誰と」「どのような話を」し、「ネクストアクションは何か」まで具体的に記載させるフォーマットに変更しましょう。 また、可能であれば「訪問先での写真添付」を義務付けるのも一つの手です(看板やエントランスの写真など)。これだけで、架空訪問のハードルは劇的に上がります。

プロセス評価(KPI)の導入

「売上金額」という結果指標だけでなく、そこに至るまでの「プロセス」を評価対象に加えます。

  • 有効商談数
  • キーマン接触率
  • 提案書提出数

これらを細かくKPI設定することで、サボっていては数字が作れない状況を作り出します。

「結果が出ていればいい」から「正しいプロセスを踏んでいるか」へ視点をシフトさせるのです。

1on1ミーティングによる心理的フォロー

サボりの原因が「モチベーションの低下」や「業務過多による逃避」である場合、監視を強めるだけでは逆効果です。

定期的な1on1ミーティングを行い、業務の進捗確認だけでなく、悩みや課題をヒアリングする場を設けてください。

「上司は自分のことを見てくれている」という安心感と適度な緊張感が、不正の抑止力になります。

就業規則と懲戒規定の明確化

「サボりが発覚した場合どうなるか」を明確にしておくことも重要です。勤務怠慢が会社に与える損害について教育し、悪質な虚偽報告や職務専念義務違反があった場合のペナルティ(懲戒処分など)を就業規則に定めておきましょう

これは「脅し」ではなく、真面目に働く他の社員を守るためのルールです。

「疑わしき」が確信に変わる前に

ここまで社内での対策を述べましたが、それでも改善が見られない、あるいは横領や背任など、より深刻な不正が疑われるケースもあるでしょう。

そうした場合、探偵事務所による「企業信用調査(素行調査)」も一つの選択肢です。

  • 特定の社員の成績が急激に落ちた
  • 経費精算(交通費や交際費)に不自然な点がある
  • 社内で悪い噂が流れている

こうした兆候があれば、一度プロの手を借りて事実関係を白黒はっきりさせることも、リスクマネジメントの一環です。

証拠がなければ適切な指導も、万が一の解雇もできません。法的リスクを回避しつつ問題を解決するためには、「客観的な証拠」が何よりの武器になります。

まとめ

営業職のサボりは、個人の甘えと組織の管理不足が重なった時に発生します。 「営業マンを信じたい」という経営者の気持ちは痛いほど分かります。

しかし、「信じること」と「管理しないこと」は同義ではありません。

適切な管理と防止策は、真面目に働く社員が馬鹿を見ないための防波堤であり、社員自身が誘惑に負けずキャリアを積むための道標でもあります。

  1. デジタルツールでの可視化
  2. 報告プロセスの厳格化
  3. コミュニケーションによる動機付け

これらをバランスよく組み合わせ、「サボる方が難しい」「サボるメリットがない」環境を構築してください。それが結果として、売上の向上と健全な企業風土の醸成につながるはずです。

もし、社内リソースだけでは実態把握が難しいと感じた場合、あるいは決定的な証拠が必要な場合は、私たちプロの調査員にご相談ください。元刑事としての経験を活かし、事実を明らかにするお手伝いをいたします。

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