「最近、あの社員の行動が怪しい…」 「会社の備品が頻繁になくなっている気がする」 「重要な顧客情報がライバル社に漏れているかもしれない」
経営者や人事担当者として、このような疑念を抱いたことはありませんか? 社員の「服務違反」は、放置すれば企業の秩序を乱し、最終的には深刻な経営ダメージにつながりかねない重大な問題です。
しかし、疑いだけで社員を問い詰めたり、不確かな情報で処分を下したりすることは、逆に従業員から「不当解雇」や「パワーハラスメント」として訴えられるリスクを伴います。
企業が取るべき「対処」は、まず客観的な事実確認(証拠収集)から始まります。
本記事では、服務違反とは何か、なぜ事実確認が重要なのか、そしてプロの探偵がどのようにしてその証拠を掴むのかを、法人向け調査の専門家の視点から徹底解説します。
目次
そもそも「服務違反」とは何か?
服務違反とは、従業員が労働契約や就業規則に基づいて負うべき「職務上の義務」に違反する行為を指します。
企業と従業員は労働契約を結んでおり、従業員は単に労働力を提供するだけでなく、「企業秩序を遵守する義務」や「会社の利益に反する行為をしない義務(忠実義務)」を負っています。
会社の就業規則には、この義務を具体化したルール(服務規律)が定められています。このルールを破ることが「服務違反」であり、企業は違反した社員に対し、その程度に応じて懲戒処分(戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇など)を行うことができます。
【ケース別】企業を脅かす主な服務違反

服務違反には様々な形態がありますが、特に企業からのご相談が多い代表的なケースをご紹介します。
勤怠不良・職務怠慢
正当な理由のない遅刻、早退、無断欠勤の繰り返しは、最も分かりやすい服務違反の一つです。 また、勤務時間中に私用で頻繁に外出する、社内システムで業務と無関係のサイトを長時間閲覧する、営業と偽ってカフェで時間を潰すなどの「サボタージュ(職務怠慢)」も含まれます。
横領・着服
会社の現金や備品、在庫商品などを不正に持ち出す行為です。経理担当者による金銭の着服から、営業担当者による交通費の水増し請求、倉庫担当者による商品の抜き取りまで、その手口は様々です。
これは服務違反であると同時に、刑法上の「業務上横領罪」にも該当する重大な犯罪行為です。
情報漏洩・機密保持違反
企業の機密情報(顧客リスト、新製品情報、技術データなど)を故意または重大な過失によって外部に漏らす行為です。
退職時に情報を持ち出し、転職先や独立開業時に利用するケースも後を絶ちません。
競業避止義務違反・無断の副業
在職中に会社と競合する事業を立ち上げたり、同業他社に情報を提供したりする行為です。また、就業規則で禁止されているにもかかわらず、会社に無断で副業(アルバイトなど)を行い、本業に支障をきたすケースも服務違反に問われます。
ハラスメント行為
パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)など、他の従業員の就業環境を著しく害する行為です。
被害者のメンタルヘルス不調や退職につながるだけでなく、企業の「安全配慮義務違反」として法的責任を問われる可能性もあります。
会社の信用失墜行為
私生活上の行為であっても、会社の社会的評価を著しく低下させる行為(例:飲酒運転による事故、SNSでの不適切な発信など)は、服務違反として処分の対象となる場合があります。
なぜ「事実確認」が絶対に必要なのか?

社員による服務違反が疑われる場合、経営者としては「すぐにでも対処したい」と考えるのが自然です。しかし、ここで焦りは禁物です。
適切な「対処」を行うためには、何よりもまず「客観的な証拠」に基づいた「事実確認」が不可欠です。
「疑い」だけでは処分できない
「〇〇さんが横領しているらしい」という噂や、「あの社員はサボっているように見える」といった主観的な疑いだけでは、懲戒処分の根拠にはなりません。
万が一、証拠がないまま処分を下した場合、その社員から「不当処分だ」として労働審判や訴訟を起こされるリスクがあります。
裁判になれば、企業側が「服務違反が客観的に存在したこと」を立証しなければならず、証拠がなければほぼ確実に敗訴します。
処分の「重さ」を判断するため
事実確認は、「違反があったかどうか」だけでなく、「どの程度の違反だったのか」を確定するためにも必要です。
例えば、横領が疑われる場合、その金額、期間、手口、動機などを明らかにしなければ、戒告で済む話なのか、懲戒解雇が妥当なのかを判断できません。
懲戒処分には「処分の重さが客観的に妥当であること(懲戒権の濫用に当たらないこと)」が求められます。
他の社員への示しと秩序維持
服務違反を曖昧なまま放置したり、逆に不当な処分を行ったりすると、真面目に働いている他の社員の士気(モラル)が著しく低下します。
「あの人は違反しても許される」「この会社は公平な判断ができない」という不信感が広がり、組織全体の秩序が崩壊する恐れがあります。
社内調査の限界と探偵の必要性
「事実確認なら、まずは社内で調査すべきでは?」 もちろん、人事部や監査室によるヒアリングや、PCのログ確認といった社内調査は第一歩です。しかし、多くの服務違反、特に確信犯的なケースでは、社内調査だけでは限界があります。
- 専門性の欠如: 証拠収集には専門的なノウハウが必要です。尾行や張り込みは素人では対象者に気づかれやすく、違法な調査を行ってしまうリスクもあります。
- リソース不足: 通常業務と並行して、時間と手間のかかる調査を行うのは現実的ではありません。
- 「身内」の甘さ: 社内の人間関係が影響し、客観的かつ徹底した調査が難しい場合があります。
- 証拠隠滅の恐れ: 社内で調査が始まったことを察知され、証拠を隠されたり、口裏を合わせられたりする危険性があります。
特に、社員の「社外」での行動(例:サボり、競合他社との接触、副業)に関する事実は、社内調査だけで掴むことは非常に困難です。
探偵は「事実確認」をどう行うのか?
私たち探偵・興信所は、企業の代理人として、法的な問題をクリアしながら客観的な事実確認(証拠収集)を行います。企業調査において探偵が用いる主な手法をご紹介します。
行動調査(尾行・張り込み)
最も多く用いられる手法です。対象となる社員の勤務中の行動や、退勤後の動向を秘密裏に追跡・監視します。
(例)営業社員のサボタージュ調査: 営業車で外出した社員を尾行。訪問先リストと実際の行動を照合し、「パチンコ店に入った」「公園で長時間昼寝をしていた」といった職務怠慢の事実を映像と時系列の報告書で記録します。
(例)競業避止義務違反の調査: 退勤後や休日に、競合他社の関係者と接触していないか、無許可の副業(アルバイト先)に出入りしていないかなどを確認します。
潜入調査(内偵調査)
横領やハラスメントが特定の部署で慢性的に行われている疑いがある場合、調査員が従業員としてその職場に潜入し、内部から実態を把握する方法です。(※実施には高度なノウハウと法的配慮が必要です)
デジタル・フォレンジック(PC・スマホ調査)
情報漏洩が疑われる場合、専門家と連携し、当該社員に貸与しているPCやスマートフォンのログを解析し、データの持ち出しや外部との不正な通信の履歴を調査することもあります。
調査のゴールは「調査報告書」
探偵の仕事は「怪しい」と報告することではありません。 尾行・張り込みによって得られた対象者の行動を、「いつ」「どこで」「誰と」「何をしていたか」を分単位で記録し、決定的な瞬間を写真や動画で撮影します。 これらをまとめた「調査報告書」は、そのまま懲戒処分や、場合によっては損害賠償請求訴訟における「客観的な証拠」として利用することが可能です。
まとめ
社員の服務違反は、あらゆる企業で起こり得る経営リスクです。問題が発覚した際、感情的に対処したり、曖昧なまま放置したりすることは、企業の将来に深刻な悪影響を及ぼします。
健全な企業運営を取り戻すための正しい「対処」とは、揺るぎない「証拠」に基づいて、公平かつ毅然とした処分を下すことです。
「社員の行動に確信が持てない」 「社内調査では証拠が掴めなかった」
もし社員の服務違反でお悩みなら、問題が大きくなる前に、私たち企業調査のプロフェッショナルにご相談ください。事実を明らかにし、御社が次のステップに進むためのお手伝いをいたします。
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