「最近、あの社員の行動がどうもおかしい…」 「会社の重要な情報が、競合他社に漏れているような気がする…」 「営業車を私的に利用し、経費を不正に請求しているのではないか?」
経営者や人事担当者の皆様であれば、このような疑念や不安を抱いたことがありませんか?会社の秩序を維持し、正当な利益を守るため、社員の素行調査を検討することもあるでしょう。
しかし、その一方で、「社員の素行調査は違法ではないのか?」「プライバシーの侵害で訴えられないか?」といった法的なリスクが頭をよぎり、一歩を踏み出せずにいる方も多いはずです。
今回は、元刑事というプロの視点から、社員の素行調査における「合法」と「違法」の境界線について、分かりやすく徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、法的なリスクを回避し、企業が抱える問題を安全かつ確実に解決するための正しい知識が身につきます。
目次
なぜ今、社員の素行調査が必要とされるのか?
コンプライアンス遵守が厳しく求められる現代において、なぜ社員の素行調査の必要性が増しているのでしょうか。実際に私たちがご相談を受ける、よくある具体的なケースをご紹介します。
情報漏洩・引き抜きの疑い
- 特定の社員が担当になってから、コンペの勝率が著しく下がった。
- 退職した社員が、在職中に得た顧客情報を持ち出し、競合他社へ転職した形跡がある。
このようなケースでは、対象社員の接触人物や立ち寄り先を調査し、不正行為の証拠を掴む必要があります。
勤務態度不良・サボりの実態調査
- 外回りの営業社員が、報告書の内容と実際の行動が一致しない。
- GPSの記録では公園や商業施設で長時間滞在しているが、本人は「顧客と打ち合わせをしていた」と主張する。
このような場合、客観的な証拠がなければ本人に事実を認めさせることは困難です。
関連記事:営業職はサボりやすい!?サボりを防ぐために行う企業の対策とは
経費の不正請求(横領)の疑い
- 出張費や交際費の申請が不自然に多い。
- 領収書の信憑性が低く、本当に業務のために使われたか疑わしい。
不正が事実であれば、業務上横領という犯罪行為にあたる可能性があります。被害額を確定させ、法的な措置を取るためにも、確固たる証拠収集が不可欠です。
ハラスメント行為の確認
社内でセクハラやパワハラの噂があるが、被害者が萎縮してしまい明確な証言が得られないケースは少なくありません。
加害者とされる社員の言動を客観的に記録し、事実関係を明らかにする必要があります。
これらの問題は、放置すれば企業の業績や信用に深刻なダメージを与えかねません。だからこそ、問題が深刻化する前に、事実を正確に把握するための「素行調査」が必要となるのです。
【最重要】社員の素行調査、どこからが「違法」になる?

さて、ここからが本題です。社員の素行調査は、常に「企業の調査権」と「労働者のプライバシー権」という、相反する権利のバランスの上に成り立っています。
このバランスを欠いた調査は、違法と判断されるリスクが非常に高まります。
結論から申し上げると、社会通念上相当と認められる範囲の調査は合法的です。一方で、その手段や方法が度を越えたものであれば、プライバシー侵害、名誉毀損、さらには住居侵入罪やストーカー規制法違反といった犯罪に問われる可能性があります。
元刑事の視点から、具体的な調査手法を「合法」と「違法」に分けて見ていきましょう。
合法となる可能性が高い調査手法
次のような調査は、調査の目的が正当であり、かつ手段が相当である限り、合法と認められる可能性が高いものです。
公開情報の収集
対象者のSNS(公開設定されている投稿に限る)、商業登記簿、不動産登記簿、過去の報道など、誰でもアクセスできる情報を収集することは問題ありません。
尾行・張り込みによる行動確認
対象者の退勤後や勤務時間中の行動を、公道上や公共の場所から追跡し、写真や動画で記録する行為は、その目的と手法が正当であれば違法とはなりません。誰と会っているのか、どこに立ち寄っているのかといった客観的な事実が明らかになります。
ただし、一般の方が行う場合、調査の度を越えてしまったり、対象者に気付かれるなどでストーカー規制法やプライバシー権の侵害などで訴えられる危険性があります。
聞き込み調査
対象者の関係者や取引先などに、身分を偽ることなく、自然な形で話を聞くことも、手法や内容次第では可能です。
ただし、個人情報保護法の観点からも、第三者から情報を得る事が難しくなっています。
相手を脅したり、対象者の社会的評価を貶めるような風評を流したりすれば、脅迫罪や名誉毀損罪に該当する恐れがあります。
会社所有物の利用状況確認
会社が貸与している業務用PCのログ確認、社用携帯の通話履歴やメールの確認、社用車のドライブレコーダーの確認などは、就業規則にその旨が明記され、社員に周知されている場合に限り、企業の調査権の範囲内と認められることが多いです。
違法となる可能性が高い調査手法
以下の行為は、個人のプライバシーを著しく侵害するものであり、絶対に手を出してはいけません。
GPSの無断設置
対象者の私有車やカバンなどに、無断でGPS発信機を取り付ける行為は、プライバシーの侵害にあたり違法です。
過去には、この行為がストーカー規制法違反と判断された判例もあります。
盗聴・盗撮
対象者の自宅や私室、自家用車内に盗聴器や隠しカメラを仕掛ける行為は、プライバシー権の重大な侵害であり、仕掛ける場所によっては住居侵入罪に問われる可能性もあります。
個人情報の不正取得
電気・ガス・水道の契約情報、携帯電話の契約者情報、クレジットカードの利用明細といった個人情報を、不正な手段を用いて入手することは違法です。また、差別につながるような情報(出生地、家族構成など)を調べることも、人権侵害にあたるため許されません。
なりすまし・詐欺的手法
警察官や弁護士、あるいは取引先の人間になりすまして情報を聞き出す行為は、詐欺や軽犯罪法違反や詐欺罪にあたる可能性があります。
重要なのは、「調査の目的」と「手段の相当性」です。 たとえ情報漏洩の疑いという正当な目的があったとしても、そのために違法な手段を取ることは決して許されません。
なぜ自社で調査してはいけないのか?プロに任せるべき3つの理由
「探偵に頼むと費用がかかるし、自分で尾行くらいなら…」そうお考えになる気持ちも分かります。しかし、その安易な判断が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。素人調査に潜むリスクは、皆さんが想像する以上に大きいのです。
違法行為に問われるリスク
最大のデメリットはこれです。法律知識がないまま調査にのめり込むと、感情的になり、気づかぬうちに「合法」と「違法」の境界線を越えてしまう危険性が非常に高いです。相手のプライバシーを侵害し、逆に損害賠償を請求されたり、刑事罰を受けたりするケースも少なくありません。
調査対象者に発覚するリスク
プロの追跡を一般の方が見破ることはほぼ不可能ですが、素人の尾行は些細なことで発覚します。一度警戒されてしまえば、相手は行動を改め、証拠を掴むことは極めて困難になります。そればかりか、人間関係が悪化し、社内の雰囲気を著しく損なうことにもなりかねません。
証拠能力が認められないリスク
仮にうまく証拠を撮影できたとしても、それが法的な場で通用するとは限りません。
例えば、懲戒解雇をめぐる裁判になった場合、当事者である会社側が撮影した映像は、「特定の意図をもって編集されたのではないか」「客観性に欠ける」と判断され、証拠として採用されない可能性があります。
利害関係のない第三者である探偵が作成した、日時や状況が詳細に記録された調査報告書こそが、客観的な証拠として強い効力を発揮するのです。
私たち元刑事は、法律を遵守することの重要性を骨の髄まで理解しています。
そして、裁判で通用する「動かぬ証拠」をいかにして集めるか、そのノウハウを知り尽くしています。企業の未来を左右するかもしれない重要な調査だからこそ、感情に流されず、冷静かつ合法的に事実を突き止めるプロにお任せいただくのが最善の選択です。
失敗しない!信頼できる探偵事務所の選び方
探偵事務所と聞くと、少し怪しいイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、中には違法な調査を平然と行ったり、高額な追加料金を請求したりする悪質な業者も存在します。そこで、元刑事の私から、信頼できる探偵事務所を見抜くためのポイントをお伝えします。
公安委員会への「探偵業届出」がされているか
日本で探偵業を営むには、必ず公安委員会への届出が必要です。事務所やウェブサイトに以下の内容が記された標識の掲示がされているか必ず確認してください。
- 届出書を提出した公安委員会
- 届出書の受理番号
- 届出書を提出した年月日
- 商号、名称又は氏名
- 営業所の名称・営業所の所在地
- 営業所の種別
- 広告又は宣伝をする場合に使用する名称
これは最低限のチェック項目です。
契約前の説明が丁寧で明確か
調査の目的、範囲、方法、そして料金体系について、契約前に詳細かつ分かりやすく説明してくれる事務所を選びましょう。
「何にいくらかかるのか」が不明瞭なまま契約を迫る業者は危険です。
「違法な調査はできない」と断言できるか
「何でもやります」「100%成功します」といった甘い言葉で誘う業者には注意が必要です。むしろ、「法律の範囲を超える調査はお受けできません」と、リスクについて正直に説明してくれる事務所の方が信頼できます。
守秘義務を徹底しているか
企業の内部情報や個人のプライバシーを扱う以上、守秘義務の遵守は絶対です。契約書に守秘義務に関する条項がしっかりと盛り込まれているか確認しましょう。
担当者の対応は誠実か
あなたの悩みに真摯に耳を傾け、親身になって相談に乗ってくれるか。
元刑事として言えるのは、最終的には「人と人」の信頼関係が最も重要だということです。面談時の印象を大切にしてください。
まとめ
社員の素行調査は、企業の健全な運営を守るために時に必要となる、経営上の正当な判断です。しかし、その一歩を踏み出すためには、「合法」と「違法」の境界線を正しく理解することが何よりも重要です。
安易な自己判断による調査は、問題を解決するどころか、企業を新たな法務リスクに晒す「悪手」になりかねません。
私たちのような、法の専門知識と豊富な現場経験を持つプロの探偵は、お客様が抱える問題の事実関係を、完全に合法な手段のみを用いて明らかにします。
そして、裁判でも通用する客観的な証拠を以て、お客様が次の「正しい一手」を打つための強力なサポートをいたします。
社員のことでお悩みの経営者様、人事担当者様。一人で抱え込まず、まずは総合探偵事務所アルシュにご相談ください。あなたの会社の未来を守るため、私たちが誠心誠意、お力になることをお約束します。
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