近年、メディアで報じられることも増え、社会問題としてその危険性が広く認識されるようになった「ストーカー行為」。
しかし、「ストーカー」と聞いても、その実態や具体的な対策について、十分に理解している方は少ないかもしれません。
この記事では、男女別のストーカーの心理や特徴を詳しく解説するとともに、被害に遭わないための予防策、そしてもし被害に遭ってしまった場合の対処法について、探偵事務所の視点から具体的なアドバイスをお届けします。
目次
ストーカーとは?その定義と行為の多様性
まず、ストーカーとはどのような存在なのでしょうか。
「ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)」では、ストーカー行為を「つきまとい等」を繰り返す行為と定義しています。「つきまとい等」には、以下のような行為が含まれます。
- 特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者又はその配偶者、直系血族、兄弟姉妹その他その者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、反復して行うつきまとい、待ち伏せ、見張り、押し掛け、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近におけるうろつき、その他その者の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害されるような方法により不安を覚えさせる行為。
- GPS等を用いて、その者の位置情報を取得する行為。
- 拒まれたにもかかわらず、連続して電子メールの送信等を行う行為。 など
このように、ストーカー行為は非常に多岐にわたります。直接的なつきまといだけでなく、SNSでの執拗なメッセージ送信、無言電話、職場への頻繁な連絡などもストーカー行為とみなされる可能性があります。
男女別ストーカーの心理と特徴
ストーカーの心理や行動パターンは、性別によって傾向が見られることがあります。男女それぞれについて心理と特徴をご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個々のケースによって異なることをご理解ください。
男性ストーカーの心理と特徴
男性ストーカーの場合、以下のような心理や特徴が見られることがあります。
独占欲・支配欲の強さ
『相手を自分のものにしたい』という強い独占欲や、相手をコントロールしたいという支配欲が根底にあることが多いです。
拒絶への過剰な反応
相手からの拒絶や関係の終了を認められず、逆上したり執着をエスカレートさせたりする傾向があります。
自己肯定感の低さ
自身の価値を他者(特にターゲット)からの承認によって得ようとするため、相手との関係を失うことを極度に恐れます。
被害妄想
相手が自分を騙している、裏切っている、などと被害妄想を抱き、それが行動の動機となることがあります。
過去の経験による歪んだ恋愛観
過去の失恋や人間関係のトラブルから、恋愛や人間関係に対する歪んだ認識を持っている場合があります。
暴力への発展
執着がエスカレートすると、物理的な暴力や脅迫に発展する危険性も高く、注意が必要です。
具体的な行動としては、以下のようなものが見られます。
- 無言電話、執拗な連絡(SNS、メール、LINEなど)
- 待ち伏せ、つきまとい
- 職場や自宅周辺での徘徊
- 盗撮、盗聴
- SNSでの誹謗中傷、個人情報の拡散
- 第三者への接触(家族、友人、職場関係者など)
- プレゼントの送りつけ、嫌がらせ
女性ストーカーの心理と特徴
女性ストーカーの場合、男性ストーカーとは異なる心理や特徴が見られることがあります。
依存心の強さ
相手に精神的に強く依存し、相手がいなくなることで自分の存在価値を見失うことを恐れる傾向があります。
承認欲求の不満
相手からの愛情や承認を強く求める一方で、それが満たされない場合に執着へと変化することがあります。
被害者意識
「自分は可哀そうな存在だ」「相手が自分を傷つけた」といった被害者意識を抱き、それがストーカー行為の正当化につながることがあります。
嫉妬心の暴走
相手が他の異性と交流することに対し、強い嫉妬心を抱き、嫌がらせや監視行動に出ることがあります。
関係性の美化
実際には存在しない、あるいは一方的な関係を美化し、それを失いたくないという感情がストーカー行為に繋がることがあります。
巧妙で陰湿な嫌がらせ
物理的な暴力よりも、精神的な嫌がらせや巧妙な手段を用いた加害行為に及ぶことが多いです。
具体的な行動としては、以下のようなものが見られます。
- 執拗な連絡(SNS、メール、LINEなど)
- 職場や自宅への頻繁な電話、訪問
- 第三者への接触(家族、友人、職場関係者など)を通じた情報収集や嫌がらせ
- SNSでの監視、プライベートな情報の拡散
- ターゲットの評判を落とすようなデマの流布
- 自傷行為をほのめかし、相手の同情を引こうとする
- 金銭的な要求
ストーカー被害を受けないための対策
ストーカー被害に遭わないためには、『日頃からの意識』と『いざという時のための準備』が重要です。
個人情報の厳重な管理
SNSの公開範囲を限定する
友人限定公開にする、非公開アカウントにするなど、不特定多数に個人情報が流出しないよう設定しましょう。
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位置情報サービスをオフにする
SNSへの投稿や写真に位置情報が紐付かないよう、設定を確認してください。
自宅の住所、電話番号などを安易に教えない
親しい友人であっても、個人情報を不用意に教えるのは避けましょう。
宅配便の伝票などはシュレッダーにかける
個人情報が記載された書類は、そのまま捨てずに復元できない状態にして処理しましょう。
きっぱりとした態度で接する
曖昧な態度を取らない
相手に期待を持たせるような言動は避けましょう。関係を終わらせたい場合は、きっぱりと拒絶の意思を伝えてください。
連絡を断つ
一度拒否の意思を伝えたら、それ以降は相手からの連絡に一切応じないようにしましょう。返信することで、相手は「まだ可能性がある」と誤解する可能性があります。
共通の知人に相談する
もし共通の知人がいる場合は間に入ってもらい、関係を清算する意思を伝えてもらうことも有効です。ただし、相手を刺激しないよう慎重に行いましょう。
防犯意識を高める
自宅のセキュリティ強化
鍵を二重にする、防犯カメラを設置する、人感センサー付きライトを導入するなど、できる限りの対策をとりましょう。
防犯ブザーの携帯
万が一の事態に備え、防犯ブザーを常に携帯しましょう。
夜間の外出は避ける、一人で行動しない
特に夜間は、人通りの少ない場所を避け、できるだけ一人での行動は控えましょう。
通勤・通学ルートの変更
もしつきまといを感じる場合は、通勤・通学ルートを変更する、時間をずらすなどの対策をとりましょう。
もしストーカー被害に遭ってしまったら…
万が一、ストーカー被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まず、すぐに専門機関や信頼できる人に相談することが重要です。
証拠を集める
ストーカー行為を証明するためには、客観的な証拠が大切です。
メール、LINE、SNSのメッセージ
日付、時間、内容がわかるように保存しましょう。スクリーンショットを撮る、印刷するなどして残しておくと良いでしょう。
無言電話の着信履歴
着信履歴を保存し、可能であれば録音しましょう。
つきまとい、待ち伏せの記録
いつ、どこで、どのような状況で、誰に目撃されたかなどを具体的にメモしましょう。可能であれば、動画や写真も有効です。
嫌がらせの物品
送りつけられた嫌がらせの物品などは、そのままの状態で保管しましょう。
GPS追跡の証拠
GPS発信機を発見した場合は、決して触らず、警察に連絡しましょう。
警察に相談する
証拠が揃ったら、すぐに警察に相談しましょう。警察は、ストーカー規制法に基づいて警告や禁止命令を出すことができます。
生活安全課へ相談
警察署の生活安全課がストーカー事案を担当しています。
被害届の提出
被害が深刻な場合は、被害届を提出し、捜査を依頼しましょう。
探偵事務所に相談する
証拠収集のサポート
自分では難しい証拠(尾行、張り込みによる行動記録など)の収集を探偵事務所がサポートできます。これにより、警察への被害申告がスムーズに進み、逮捕や検挙に繋がりやすくもなります。
加害者特定
匿名での嫌がらせや情報が少ない場合でも、探偵の専門的な調査力で加害者の特定を行います。
現状把握と対策立案
被害状況を正確に把握し、個々のケースに応じた具体的な対策を立案します。
弁護士に相談する
民事訴訟による損害賠償請求や、接近禁止命令の申し立てなど、法的な対応を検討する場合は、弁護士に相談しましょう。
まとめ
ストーカー被害は、あなたの心身に深刻なダメージを与える可能性があります。
「まさか自分が」「気のせいだろう」と軽視せず、少しでも違和感を覚えたらすぐに具体的な行動を起こすことが重要です。
探偵事務所は、あなたや大切な人をストーカー被害から守るために、多角的なサポートを提供しています。一人で悩まず、私たちにご相談ください。あなたのプライバシーを厳守し、最適な解決策をご提案いたします。
品川総合探偵事務所アルシュでは、元刑事の探偵が無料相談を受けしております。 少しでも不安を感じたら、お早めにご連絡ください。